2010/04/04

Hallucination



バンド・デシネ界の巨匠Moebiusに私がものすごく惹かれる所は
その地平線や空間の醸し出す世界であり、想像の余地のある所。

彼のインタビューで、「私は自分の描く地平線や何もない風景を
ずっと見ていたいんだ」と言っていて、またその言葉に音楽を感じる。

驚いたのは、「Arzach(メビウスの作品)を描いているとき
自分の中で非常にはっきりとしたイメージの音楽が流れていた。
だからセリフは何も必要なかった」と言っていた事。

「今度は読む人々が自分の中でそれぞれの音楽を流すんだ。」と。

それはメビウスにとって成功している事で、正にその願いが
人々のイメージを刺激して揺り動かす作品の核だなと思った。

さて、今カール・セーガンの「悪霊にさいなまれる世界」
という本を読んでいる最中で、
この本は「人がなぜニセ科学や宇宙人誘拐説を信じるか」
と言うテーマを歴史上の様々な例を引き合いに検証する本で
かなり簡潔になってしまうけど
「懐疑する精神を持ち、理性を持って判断する」方法を
分かり易く説いている。

今、「幻覚」の項目を読んでいるのだけれど
人が幻覚を見る事は珍しい事ではない、という事に始まって
眠っている時に見る「夢」についても書かれている。

ある実験によると「夢」を見させない様にされた被験者は
白昼に幻覚を見たそうだ。

それを読んで思い付く事があって、
これは私ひとりしかデータが無いのだけれど
もし他にそう言う人があれば知りたい。

と言うのは、私は「曲を創る」時期と「事務処理をする」時期が
かなりはっきり別れていて、
「前者の時は夢をあまりみない。後者の時はとても良く夢をみる。」
というのを最近気付いた。

だから「夢」がもし幻覚の一種なら、
曲作りもその類いに入る、とも考えられるのかなと。

ただ、夢って毎晩みるものだそうなので、
忘れているだけなんでしょうけれども。

ただ河合隼雄の対談で、ちらっとこんな話が出てた気がして
それだったら「夢」の役割って面白いなあ、と思っています。

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